第1回 被災地に立つ
2011-04-30
2011-05-01
宮城県の被害
津波で壊滅的な被害を受けた地域は、鉄道、道路、電力、通信、住宅など生活基盤のほとんどが消えていました。その容赦ない破壊力に圧倒され、つい沿岸部の被災地に目が行ってしまいますが、内陸部でも地震によってがけ崩れや道路の亀裂などの被害を受けています。ですが、今回のように被害が甚大で広範にな災害の後では、どうしても修繕などの手当てが間に合いません。これからやってくる梅雨や、冬の積雪などを考えると、何らかの応急措置をしておくことが望ましいのですが、現状では管理者の手が回らない状況が続きそうです。管理責任など様々な課題はありますが、地域住民の力で応急措置ができるような仕組みを作っていきたいですね。
鉄道の橋梁の上にあるのはプラットフォームではなく、津波で運ばれてきた民家です。津波の力を正面から受けた国道は橋脚を残して流されてしまいました。
巨大な船が住宅地内部にまで入り込み、今にも倒れそうになっていました。強い風が吹き、近くのトタン屋根がバタンバタンと大きな音を立てています。しかし、船はビクともしません。このような重い船を軽々と陸地に運び上げてしまった津波が住民に与えた恐怖はどれほどだったのでしょうか。津波から人々を守るため、構造物のようなハード面や避難誘導のようなソフト面から様々な議論が行われています。ICTを活用した社会インフラの高度化をテーマに掲げている私たちは、震災の記録を残すためのアーカイブとその活用の方法について考えていきたいと思います。